映画の夜、蜜のあわれ
今週はまだアマプラ映画を観ていなかったので、部屋の片付けのお供にでも~と軽い気持ちで見始めたが、結局画面に釘付けになって終わってしまったのであった。
非常に良かったので感想を書く気にさえなったくらいだ。
【蜜のあわれ】
室生犀星の小説が原作。二階堂ふみが金魚の擬人化、大杉漣がその飼い主の小説家を演じる。
レビューに「実写版ポニョ」とか書いてあったものだから、まあ内容には期待せず役者がすきだしな、という気持ちで見始めた。
文学的で意味深な映像を多様した小難しい映画なのだろうと思ってみたら大間違いである。純愛映画だった。
二階堂ふみ演じる若い金魚と、大杉漣の老いた老人とのふれあいを微笑ましく眺める前半から、感覚の差から生まれる心のすれ違い、種族の差がちゃんと描かれており見事に引き込まれる。謎な部分もあるにはあるのだが、とにかく二人がめちゃくちゃに罵り合うシーンなどは泣けるくらい感情が入ってしまった。
二階堂ふみがとにかくめちゃくちゃかわいいので観て頂きたい。表情がとてもいい。
映像の赤も美しいが、最初に金魚が走り去るシーンの尾鰭のひらめきが最強であった。
私はベタ褒めだが、人を選ぶ映画な気はする。